「信濃では…」の句について

yomase2007-05-29

信濃では月と仏とおらがそば」の句は小林一茶の代表的な俳句だとばかり思っていたけれど、どうもそうではないらしい。金子万平さんの信州そば漫録ではその辺のことに詳しく触れている。また小林玲子さんの善光寺表参道日記によれば中村六郎という人が「氷そば」の宣伝用に作ったと言われているのだそうです。確かに「月」は姨捨山の田毎の月、「仏」は善光寺、「おらがそば」は一茶の俳句集『おらが春』をもじったと言われれば納得してしまう。確かに信州の名物がみごとに並んでいてできすぎだ。だとすればこれほど信州の名物をうまく織り込んだ作者はかなりの使い手に違いない。今で言えば糸井重里仲畑貴志といった名コピーライターと言ったところか。本人は人を騙すつもりはなかったとしても信州のそばを語る時にこれほど一茶の句として引用されればさぞかし痛快だろう。この句は一茶よりも一茶らしい句となってしまったが私の「信濃ではskiとmacとおらがそば」はまたさらにその亜流なのだからもっと始末が悪い。まぁ、こんなblogではありますが気長にお付き合いのほどお願い申し上げます。
さて今、信州の山ではワラビがにょきにょき伸びています。